2010年からFIRE(Finantial Independent Retirement Early、経済的自立)という言葉が流行始めた。これにはいくつか種類があるものの「譲れない支出の最小化」(→支出と倹約)にして、それ以外は貯蓄、投資に回すというライフスタイルを続け、最終的にその投資で得られる配当などのキャッシュ・フローで生活するというものである。DIE WITH ZEROという書籍が2024年間ベストセラートップ10入りした。将来のために、将来の経済的不安のため、お金を貯め込んで一番資産が大きいときにこの世を去るのは意味があるのか?一方で、若い20代、30代でお金を理由に親しい友人や家族と海外旅行やテーマパークに行かないのは本当に正しいのか、そういった経験にお金を使わないことに疑問を投げかけている。
物欲に対するお金の使い方では幸福、満足感は長続きしないというのは昨今の知られてきた考え方だ。
経験にお金を使う事は、正しいことなのであろう。だが、FIREを目指そうとしていたら、これらの活動に制限が出てきてしまう。では、この2つ課題にどう向き合えばよいのか?
経済的自立を獲得したら、多くの人が夢見るのは、時間ができるので海外旅行を満喫する、ノマド生活を始めるが多い。それを早い段階で取り入れる方法が海外駐在だ。
単純に日本では味わえない海外生活が出来ることである。旅行とは似て否なるもの。日常に海外生活を組み込むことの意味は大きい。現地の人が暮らすような生活に触れる事で、日々重なる大小の驚きが文化、歴史への興味に変わり、人生に彩りを与えてくれる。知らない土地で、日本の常識が通じない場所で大なり小なり問題は出てくる。そういった経験もまた、家族、パートナーがいる人の結束を固めてくれる。例えば、メイドを雇う、運転手がいるという生活の中に給仕人がいる経験は中々日本では経験する事は少ない。そういった人との距離感、コミュニケーションは必須となってくる。また、既に海外にいるからこその国内旅行、海外旅行で費用、時間の利便性が生かせ、よりコアな旅行も楽しめる。
さらに待遇面が享受できる。給与は国内勤務よりいい上、殆どは家賃補助100%で、仕事で必要な車も準備され、地域によっては運転手が付いたりする。その他税制も優遇されている。つまり、生活費の負担軽減されることになる。当然、お金に余裕が出来き、貯蓄、投資に回す事が出来る。
そうすることで海外生活という経験をしながら、経済的自立に向け準備を加速させる事ができる。一石何鳥だろうか?さらに既に海外生活を経験しているから、例えば、海外に住むとか、海外ノマド生活への障壁が一気に下がる。高校時代に英語が得意な友人が駐在先の私のもとに旅行にきた事があった。その友人はリタイヤしたら海外で生活しようと思っていた。だが実際この年齢(50代)で言葉の壁が意外にも大きく、海外での生活は難しいと感じたと言っていた。
健康、金銭的余裕があっても年齢が難しくしている。やはり、時間が大事であり、ステージ毎の経験が大事であることを物語っているような気がする。
海外生活してみたい、海外旅行が好きであればよい事だが、そこへのストレスのある人にはオススメできない。あと現地採用だとその現地の会社、例えば、JTC海外子会社での採用となるため、福利厚生含め現地となっているケースも多く、契約内容に左右されるので注意が必要。
FIREして海外移住したい、ノマド生活を考えているのであれば、その過程で海外生活がどのような事であるかを知っておくには、海外駐在は絶好の機会となる。