タイ、インドネシア、ベトナム、アメリカ、インド、マレーシアの現地法人でスタッフの採用をする機会が多くありました。現地人165人、現地採用のための日本人52人の面接しました。私は元々営業中心の海外駐在員であり、人事のプロではなかったため、人の採用は当然、試行錯誤の繰り返しで進めていましたが、その中で採用のノウハウが蓄積されていきました。日本の就活とやはり異なり、会社の理念を理解しているかなどの終身雇用型の総合職の採用ではなく、一般的なジェネラリスト(部長職を含める事務職、)、スペシャリスト(ジョブ型)の採用でした。面接は英語中心。
基本は、どの企業でも同じと考えますが、 1.長く働けてもらえる
2.採用したら会社に貢献してもらえる(パフォーマンスが高い)
3.同じ組織に迎え入れた後、その方自身が成長感じてもらいたい。 と考えて採用を進めていました。
国が違うとこれ程違うのかを痛感させられました。まず、お国柄、歴史、社会理念でどれ程までが許容すべきなのかになりますが、ここは今回は割愛致します。その許容値の範囲内となった条件を踏まえたお話になります。
ポイントは、準備し過ぎる事はない。コミュニケーションがとれる。差別化が図れる。 例えば、私が面接でしていた質問(ベタな)の中に、あなたの長所は、短所は?とありますが、 規律を守る人です、学習意欲があり新たな環境慣れするのが得意であるとか返答される人が多くいましたが、その返答に対し、どのように?具体的な例を挙げて説明を?と言っても伝えきれる人が本当に少ない。なぜか?その理由は3つあり、①本人が緊張している、②回答への深堀りの準備をしていない(準備不足)。③会話を理解していない。①、②は個人依存する点が多く、③についてお話します。
1.相手に伝わっていない事を前提とする。
そもそも初対面の方と会話を進めていく上で最初はぎこちないと感じた事があると思います。日常の生活環境、組織人として職場環境、受けてきた教育、趣味嗜好が異なるため、言っている事、言い方で伝わらない。会話を継続していく中で慣れてくる。後日また再会した時は、少し話し易くなっていると感じる事がある。これは、会話を継続する事で相手との距離感を掴み、次に相手をプロファイリング(この方はこんな感じの人かもと思う)した上で、会話をする事でお互い言っている事が理解し易くなります。その時には言葉を選び、言い方を変えたりしています。言い換えるならば、業界、組織が違う人にどのように伝えれるかを意識しないと伝わらない。
面接での返答では『この方は会話が出来るか』を問われている。
これはコミュニケーションがとれるかを意味しています。ジェネラリストを目指すならここを意識しないと次に進めない。ここでつまずいたら採用へのハードルを上げてしまう事になる。
2.一方的に長く話してはいけない。
質問に対し、一方的に話を続ける人は、質問への返答が出来ていない傾向が強い。何が回答か理解していないか、整理も出来ていないから、思いつく事を言葉にしている事が多い。対処法は、まず、結論(回答)を完結に述べる。それからその理由、説明を付け加える。これは手短に1つか2つだ。それで相手(質問者)が理解したかを確認する。質問者が判らなければ、具体的には?となるそこからさらに説明を進める。会話中の質問のボールが相手と自分の間を行き来する必要がある。この時に最初の質問から大きくズレてはいけない。余分な事を付け加えてはいけない。論理的な回答からズレていく可能性があるためです。
友人と会話している時に「あれ、何の話だったけっ」となる。正にこのケースに当てはまる。受け手は話し手より苦痛を感じるている。
これら2点は重要なポイントとなる。会話のキャッチボールであるコミュニケーションであり、コミュニケーション能力である。このスキルは一部のスペシャリストを除き、面接での採用への大事なファクターであると思う。
結論(回答)を述べた後、理由、説明を付け加える。相手が理解したかを確認する際にアイコンタクトをし、その後の追加説明を加えるか判断する。ここまで来れば聞き手を配慮した言動となり、差別化が図れる。 面接の目的は、質問に対して回答する事でも、自分が言いたい事を話すのではない。伝えたいと思う事を相手に伝え切る事。言いたい事を言い切るでは面接では求められていない。