心との対話

海外生活
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心との対話を大事にする。

シンガポール、タイの6年間の家族4人の駐在後、日本勤務の3年を終え、インドに赴任する事になった。赴任一ケ月前に出張で1週間滞在し、その後正式赴任となった。生活環境が過酷のため、単身赴任で臨んだ。デリーに到着し、宿泊施設である現地合弁先のゲストハウスで、三階建て戸建ての一室に2週間程滞在する事となった。同じ状況のイギリス人が先客として滞在していたが今回の異動は単身を決意したと語っていた。通常、欧米人は何処に行こうとも家族みんなで生活するのが普通で単身赴任とはしない。やはり、生活環境は厳しいのかと思った。

2日目夜だった。異変が起きた。寝つけず、心臓の鼓動が大きくなり、息苦しくなってきた。今、置かれた環境から逃げ出したい。落ち着きを失い、ベットから出て部屋の中を歩き回る。誰かと話したいとなるが、午前0:00を超え、同僚にも電話掛けられず、時差もあり、日本は午前3:30で家族とも電話出来ない。ネット環境も当時悪く、スマートフォンもない時代。完全に外部との接触は絶たれ、この暗闇の異国の地で完全な孤立を感じた。息苦しさはさらに酷くなった。どうにかしたいが、何も出来ない状況。これがこの先も続く事の不安。何も出来ない。

心との対話をした。

落ち着く事に集中する、大きく息を吸って深呼吸をした。とにかく、落ち着こうと心に話しかける。数分の内、冷静さの中、自分を取り戻し安堵を感じ、眠りについた。その後、同じような心境になる事はなく、インドの3年の任期と単身赴任生活を終え、ベトナムでは再度、家族との駐在生活が始まった。

コロナ禍で新らたに駐在者を受け入れる時に、ホテル10日間の待機期間が強いられた時期であった。家族のある2名の単身赴任者が海外赴任となり、ホテルで缶詰めになった。その時同じような心境になったと言う。その後、1名はワクチン接種のため日本帰国、日本での待機期間、東南アジアでの待機期間を繰り返しながら、1年未満で帰国する事になった。今、家族と一緒に暮らし、前向きに仕事している事を聞き安心している。

大きな環境変化が起こった時、もう一人の自分と対話する事の重要だと思います。

感情に流されずに、不安の中での思慮は妄想に過ぎず、冷静さを取り戻す事に専念する。少しの時間で解決してくれる場合もある。前述の二人はこの赴任の直前まで、家族と暮らしてきた。単身の経験もなく、彼らを取り巻く環境が一変した。

サラリーマン和僑の切符を手に入れたのだから、生かして欲しいと思う。その苦境を乗り越える事が出来たなら、それ以上のことは起こり得ないと思った方がいい。だから、自らのその経験で培った自信を噛みしめて、もう一人に自分と対峙して欲しい。

ただ、どうしても無理だと感じた時は一旦、駐在生活を一旦とりやめ、日本で仕事した方がいい。健康でないと勤め人を続ける事も、経済的自由も遠のく。

心身ともに健康であることが最優先課題だからである。

この状況は、家族が仲良く、子供が小さい頃の単身赴任での海外駐在で起こり易い。

なので、海外駐在は、家族帯同を前提に立った方がいい。新たな環境で家族皆大変だけど、家族全員とも心身ともに健康である事の方が多い。

海外駐在で心身ともに健康であるためには、

苦境を感じたら、心との対話をする。

そうならないためにも、私、個人の意見として、海外駐在は家族帯同を薦める。

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