今日はサラリーマン和僑をお勧めするポイントについてお話します。
日本の企業に就職し、海外に事業展開していて、海外駐在者を海外に送り込むというケースです。サラリーマンでありながら、海外で会社の収益、自身の収入を上げると言う事で和僑とするなら、私は『サラリーマン和僑』を21年間してきました。
サラリーマン和僑になるメリットがあります。
①現収入を1.5倍~2.0倍増に出来る。
海外駐在手当なるもので収入が大きくなります。国内の生活基盤(例えば、単身赴任で家族を日本に残す)と海外での生活の二拠点となるため、その二拠点分を会社がサポートとしましょうとの理由で収入が単純に増えます。これは家族全員海外に移住した場合も同じ。
②福利厚生で支出の軽減
コンドミニアムの住居費等住宅補助、公共交通機関が使えない所では自動車会社支給、さらには家族も一緒に住むとなれば家族専用の車の補助もある企業もあります。
③国内旅行(居住国)、海外旅行へのハードルが下がる
東南アジアの場合、国内旅行となるバリ島、プーケット島はもとより、オーストラリア、モルジブなどアクセスし易い。日本より移動時間が短縮される。小さなお子さんにいる家庭では移動時間が少なくて済む。2歳以下の幼児は航空券は必要ない。また、日系旅行会社のパッケージ旅行もあり、ワンストップで予約出来便利な点もあります。旅慣れてくれば個人旅行で低コストで、ディープな旅も出来ます。アメリカ、インドは個人旅行が基本となります。
④ビジネスマンスキルが向上
海外駐在時に出世とならなくても現地子会社で職位が上がるケースが多く、新しい事にチャレンジ出来る。例えば、20代後半、30代前半であれば3、4人~10人位のチームを任される、30代後半となれば海外子会社の社長になる場合もあり、マネージメント(会社、組織)、経営にも携わるケースもあり、スキルアップとなる。私の場合、
- 32歳 タイで現地販売会社の販売部門の立上げ、部門長
- 39歳 インドで合弁会社取締役
- 42歳 インドネシア販売会社取締役
- 53歳 マレーシア販売会社社長
昨今の環境の変化で、海外駐在3年の経験を経て海外に居ながらオンライン面接でキャリアアップを成功させた後輩もいました。駐在時にスキルアップを心掛け、タイミングが合えばキャリアアップも可能になる時代になったと思います。
⑤子供の教育の選択肢が増える
義務教育期間の7歳~15歳は、現地日本人学校か現地インターナショナルスクールを選択する事になるが、両方とも『私立』の扱いとなり、会社負担してくれる場合がほとんどである。
サラリーマン和僑のデメリット
⑥新しい環境への適応を求められる
生活環境が一転するため、住環境に慣れる必要がある。例えば、現地語での日常会話程度をマスターする必要もある。
一番大事なのはそれ以上に英語は必須。(東南アジアにおいても)
裏を返せば、海外で生活すると言う耐性が備わり、経験値が上がる。これはFIER後の海外移住のイメージがし易く、後押しとなる。
➆投資環境が一変する
海外駐在となれば、居住地は日本では無くなる。住民票は海外転出となり、マイナンバーは無効をなり、印鑑証明も取れなくなる。不動産取引、日本金融機関取引に制限を受ける場合が発生する。
⑧子供の教育で家庭環境の変更を余儀なくされる
子供の進学進路に合わせ、家族を日本に本帰国させ、単身赴任を選択するケース、駐在する時にも、進学受験が重なれば家族を日本に残し、単身赴任となる。
⑨不動産、動産の再構築が必要
海外赴任となれば、持ち家(戸建て、マンション)、自動車の維持、売却。家電製品の売却、処分。また、本帰国で日本勤務となれば、それらの再調達、準備が必要。ただ、不動産においては海外駐在時、賃貸の選択肢も出てくる。
これらの総合的に考えると金融資産への貢献: 前述の①、②、⑤、⑨
人的投資:前述の④、⑤、⑥
個人的には、
サラリーマン和僑 = FIRE自動製造装置
と言わざるを得ません。
ではサラリーマン和僑になるべく準備の3選を紹介します。
1. 英語力を身につける
会社によって異なりますが、マネージメント、営業、企画、財務系TOEIC 800点以上、生産、製造系650点以上。TOEICのスコアが全てではありませんが、数値化出来るものとしてベターと考えています。TOEICのスコアが良くても、話が出来ない人はいますが、英語を話せても、TOEICのスコアが悪い人はいません。
2. 大学卒業の学位を取得する
海外で働くとなれば、各国の滞在許可書(ビザ)と就労許可書(ワークパーミット)が必要となります。各国で海外からの労働者を受け入れると言う事は、その駐在先の国への貢献のために労働者を受け入れるものです。従って、その道のプロフェッショナルを受け入れると言う考え方です。大学で専門分野を習得し、本社(日本)で経験を積んだその道のプロだかこそ、そのプロがその国の発展に寄与するに値するとして、2つの許可書の発行という考え方です。これは東南アジアのみならず、欧米でも同じです。
3.海外拠点のある会社に就職、転職
海外拠点のある会社に勤め、海外志望の旨を会社に伝え、海外と言うワードにアンテナを張り巡らせ、海外案件に積極的に絡む、参画する。
今回の内容は、海外における日本人現地採用、昨今の現地企業による農業従事者、和食シェフはこの限りではないと個人的には思います(特に①の海外駐在手当、②の条件が限定的)。勉強不足で知見もないため、改めて検証したいと考えます。